プロダクトマネージャーという職種(2)

先日、プロダクトマネージャーという職種について書いてみたのですが、今回は続編です。これから転職してプロダクトマネージャーを志望される方や、MBA後にプロダクトマネージャーを目指す人向けです。

 

プロダクトマネージャーという職種

米国では、何故かプロダクトマネージャーという職種がもてはやされる傾向にあると感じています。MBAでも、実務経験3~4年とかでMBAに来ている20代の人たちは、実務をよく分かっていないからというのが多分大きな理由ですが、やたら「プロダクトマネージャー」を志望する傾向にあります。

でも私個人の見解としては、「プロダクトマネージャー」という職種自体は、何ら目新しいものではありません。従来であれば、他の職種、たとえば「事業開発」「BizDev」「Webマーケティングマネージャー」「アライアンス担当」「マーケティングマネージャー」のような職種の人たちが経験していた業務について、流行りに乗ってつけたタイトルが、「プロダクトマネージャー」であるに過ぎないというものです。

実際に、プロダクトマネージャーという職種について書いている記事などを見てみると、スキルセットとしては、「別にプロダクトマネージャーという職種ではなかったけれど、全部私が今までに経験してきた業務内容じゃん。。」と思うようなものが殆どだったりするものです。

たとえば、The 6 types of Product Managers. Which one do you need?という記事から引用すると、プロダクトマネージャーには以下のようなスキルセット・経験が求められるといいます。

  • グロースハッカーとしてのユーザーリテンション、顧客ロイヤリティ向上への理解
  • ユーザーの行動への理解
  • API周りのテクニカルな知識・理解
  • B2Bのアライアンス業務経験
  • UX/デザインを含むネイティヴアプリへの理解
  • AI/アルゴリズムへの理解

こうやって細かくブレークダウンしてみると、業界経験者であれば、「別に普通じゃん、プロダクトマネージャーのどこか凄いのか(なぜそこまで人気があるのか)良くわからない」と思う人が圧倒的多数ではないかと思うのです。というか私は、そう思いました。

 

プロダクトマネージャーが人気の理由

上記を踏まえた上で、「プロダクトマネージャー」が何故ここまで流行っているかというと、やっぱり米国のスタートアップ(あるいはテック業界)の最先端で働く人たちのブランディングが上手い、というのが大きな要因だと感じています。

たとえば、前回もご紹介したSlack社のNoah Weiss氏は、TwitterMediumでのブランディングが本当に上手く、絶大な人気を誇っています。ちなみに以下の記事は本当におすすめです。プロダクトマネージャーに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

具体的にプロダクトマネージャーへの転職を検討される方は、以下のサイトもあわせてご覧ください。コーネルテックの在校生・卒業生がみんな見ているサイトです。

 

プロダクトマネージャー≒ミニCEO≒起業家?

そして、プロダクトマネージャーについて調べれば調べるほど、疑問に感じることもあります。良いプロダクトマネージャーになるためには、Good Decision Makerであれとか、アダムグラントのOriginalを読んで起業家精神を身につけろとか、リーダーシップ論に踏み込んだ抽象的な内容の記事が非常に多いのです。。もはやスキルセットではなく、精神論では・・・と思ったり。

この点が、若手のMBA生を誤解させてしまい(?)、プロダクトマネージャーという職種を神的職業として見た立てている所以だと感じます。「プロダクトマネージャーを経験することで、起業家として自分で事業を立ち上げるスキルが全て身につく」などといったように、誤解している人(過信している人)が多い印象を受けます。しかし、よくよく考えてみると、リーダーシップや決断力、起業家精神などが求められる職種は、何もプロダクトマネージャーに限ったものではないはずです。

それにもかかわらず、米国のスタートアップ界隈では、「プロダクトマネージャー」が盛り上がりを見せている、そんな不思議な状況です。

 

日本におけるプロダクトマネージャー

現在私自身が海外にいる身のため、あまり深くは言及したくないのですが、日本国内における「プロダクトマネージャー」の役割は、米国におけるそれとはまた異なるものだと感じています。

というのも、日本では「プロダクトマネージャー」に関する情報や歴史が浅いため、会社の社風・カラーによって、業務内容が大きく異なってしまうケースが、特に日本のスタートアップでは多いように思います(プロダクトマネージャーに限ったことではなく、同じタイトルでも会社によって業務内容が異なるというのは、日系企業あるある)。

日本国内でプロダクトマネージャーを志望される方には、プロダクトマネージャーという職種にどのような経験を期待するのか、しっかり考えておくこと、そして必要に応じて入社前に会社とすり合わせておくことを、おすすめしたいです。