MBAで学ぶアントレプレナーシップ

渡米してからというもの、本当に自炊にこだわるようになった。これはロンドン勤務時も感じたことだけど、外食の費用が高い地域で生活すると、一気に料理スキルが上がる(気がする)。。

イサカでは、毎週末クラスメイトに車を出してもらって、近郊の大型スーパーマーケットWegmansへ。オーガニックのニョッキとかチェリートマト、ケールなどが好きで、手軽な素材で毎晩自炊しています。

※写真にしてみると、普通過ぎてそんなに美味しそうに見えないのは、私の料理スキルが低いためではなく、インスタ映えする写真スキルが低いためです。

 

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今月から専門科目の授業が始まり、Building Entrepreneurial Venturesというクラスを履修しています。教授は、Mukti Khaire というコーネルの看板教授。2016年にコーネルがHBSから引き抜いてきた新しい教授です。

MBAで学ぶ「アントレプレナーシップ」というと、どこかふわっとしている印象があって、果たして「専門科目」と言えるのだろうか?と実際に入学する前は思っていました。というのも、通常のトラディショナルなMBAなら、MBAでいくら「アントレプレナーシップ」を学んだところで、実際に卒業後すぐに起業する人や、ましてやMBA入学前に起業している人はほとんどいないはずなので、趣味・教養の一環にしかならない印象があった。

たとえば、明らかに会社員としてのキャリアを歩む前提の人が、「MBAではアントレプレナーシップに興味があって…」とか話してるのを聞くと、「ああ、この人は趣味・教養の一部としてアントレプレナーシップを捉えているのだな」という気がして、なんだかモチベーションの低さを感じてしまうような感じ。(それが必ずしも悪いとか批判するつもりではない。MBA留学中には、本来の専門分野とかけ離れたことを学ぼう、という考えもあっていいと思う。)

 

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私の場合は、起業経験を経て「アントレプレナーシップ」を学びにMBAに来たのだけれど、結果的にはすごく良かった。リーンスタートアップやフリーミアム戦略といったスタートアップの古典的な(?)ビジネスモデルから、最近のSaaSビジネスにおけるサブスクリプションモデルまで、色々なケースを扱って、米国スタートアップの事例を幅広く学ばせてもらっています。

でも、正確に言うならば、起業経験自体が「アントレプレナーシップ」に役立っているかというと決してそうではなく、会社員自体の経験もすべて含めて、今までの経験を棚卸ししているようなイメージ。会社員時代、日本のテック企業で経験してきたフリーミアムモデル(某ソーシャルゲーム企業)、IPO後の海外事業撤退の決断とか、かつて自分が身を置いていた環境を思い出しながら、授業を受けている感じ。

一つ一つの細かな知識自体は、日本にいても独学であっても学べる内容に違いないものの、短期間で集中的に数多くの文献を読み、ディスカッションしたり、教授からフィードバックをもらって学ぶプロセス自体は、やっぱり学生でないと経験できないこと。休日も、ケースの予習したり、Y Combinator創業者Paul Graham氏のエッセイをひたすら読み続けたりしています。ちなみにこの人がコーネル出身だなんて、つい最近まで知らなかった。。

こんな地道な勉強が、今はとても楽しいです。30代前半にして、こんなに贅沢な環境に身を置けるとは、本当に有難いこと。MBAには、正直受かった後も進学するかどうかを本気で悩んでいたけれど、決断して本当に良かったと思う。

 

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ちなみに、コーネルMBAのアントレプレナーシップ関連リソースは、想像以上に充実していて、VC経験のある教授から直接One on Oneでフィードバックが貰えたり、Big Red Venturesという学生が運営主体のベンチャーキャピタルに参画して実務を通じて学ぶ環境があったりと、思いのほかリソースは充実しています。

特にイサカでは、ローカル色の強い農業分野とテクノロジーを掛け合わせて起業している卒業生がいたり(アグリテックと言うらしい)、オーガニックフードに関連する分野で起業している人が多いことが特徴。こうした特色は入学以前は知らなかったけれど、こうしたローカル色の強いビジネスに触れるチャンスがあるのも、面白いところ。

8月以降のNYCキャンパスと、イサカという田舎町を両方経験できるのは、想像以上に貴重な経験だった。

 

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この一年間で、思いきり知識を深めた上で、卒業後にもう一度事業立ち上げに挑戦していきたい。