【2018】米国MBAの就職活動

6月も後半になり、イサカでの生活もついに折り返し地点に。8月上旬にベイエリアでのインターンを経験した後、8月後半にはニューヨークでの新生活が始まる。

 

コーネルMBA、というか1年制のコーネルテックに来て良かったなと思うのは、キャリアの方向性や目的意識が明確な人が割と多いこと。テック系のスタートアップでキャリアを築いてきた人であったり、これまでファイナンスのバックグラウンドからスタートアップに転職しようとしている人であったり、バックグラウンドは様々だけれど、テック業界において特定の分野・職種を目標としている、目的意識が明確な人が多く、一緒にいて居心地良い人が多かった。これは本当に運が良かった。

 

日本にいた頃は、コーネルMBAすら良く知らなくて、コーネルテックという新しいプログラムに進学を決めるという時点で、リスクをとったなと思う。けれど、日本人が周りにいない環境というのは、本当にメリットの方が大きい。これは実際に経験してみないと、わからないことだったと思う。

 

米国での就職活動について感じることは、最近のMBA生は、本当にスタートアップ志向の人が多いということ。テック業界を志望するMBA生のほとんどが、スタートアップを意識しているし、実際にスタートアップの環境を求めて就職活動を行っている。以前紹介した通り、プロダクトマネージャーという職種が米国で人気が高いのも、個人として広い裁量が任せられる環境を経験でき、ある意味スタートアップ的な働き方を実現できるからだ。

 

一方で、採用側であるスタートアップ企業の多くは、MBA採用に積極的ではない。むしろ、MBA生はRisk Avertであるとして、敬遠されている。実際には、大企業への就職に比べて待遇や給与面の条件を下げてでもスタートアップにいきたい、そう考えるMBA生が多数いるにもかかわらず、である。また、留学生に限って言うと、ビザ取得の難易度を考慮し、仕方なく大企業を選ぶMBA生は多い。スタートアップの場合、そもそもビザサポートが難しいので。H1Bビザは表向きには抽選だと言うが、全然抽選なんかではないのだ。こんな就職活動の事情は、実際に米国に来るまでは全く知らなかった。

 

このようなスタートアップ企業側の傾向があるため、テック業界で希望するスタートアップのポジションを獲得できなかったMBA生は、アマゾン、グーグル、マイクロソフト等の大企業へ仕方なく転職をする。これが、最近の米国MBAの就職の傾向だ。そう、アマゾン、グーグル、マイクロソフト等の大企業は、もはやMBAのメインストリームではない。ただ、それらの大企業は「MBA採用に積極的な企業」であるため、希望の職に就けなかったMBA生の受け皿として、人気が高い(というか、他に選択肢がない)というだけだ。

 

では、テック業界で就職を希望するMBA生は、皆がスタートアップ企業のみを希望しているかというと、そうでもない。ベンチャーキャピタルへ行ってスタートアップの仕組みを学びたいと考える人や、自分で起業したい人など本当に様々で、本当にもう、「自分で働き方を創っていくこと」が求められる時代になっているんだなと痛感する。

 

コーネルMBAでは、こうした時代の流れにはとても敏感で、2年制MBAでもデータアナリティクス分野の授業が重視されているし、コーネルテックではSQLの習得が必須になっている。MBAでSQLのスキルが求められるなんて、実際に入学するまで知らなかった。それでも、学校が提供してくれるリソースというのは、就職活動や卒業後のキャリアに必要なスキル・経験のほんの一部でしかない訳で、いかに自分でキャリアを築いていくか、働き方を創っていくかは、もう完全に個人の実力に委ねられている。

 

私個人は、「2年制のMBAに進学してコンサルティングファームに就職する」というキャリアパスは、完全に下火だと思っている。これからコンサルティングファームに転職を希望する人は、Calatant という会社についてよく調べてみると良いと思う。米国でいかにコンサルティング業界への転職が時代遅れになっているかが、分かるので。(ここでは、詳細は割愛。)
※それでもなお、斜陽産業であると分かっているけれど、どうしてもコンサルティングファームの仕事がしたいんだ!と納得できる人は、納得して転職すれば良いと思う。

 

そもそも、2年制MBAに進学する場合、「2年後の卒業を見据えて入学時から就職活動をする」ことになるのだけれど、この流れ自体が、やっぱりどう考えても時代遅れだと思う。。だって、今の時代、2年後なんて業界動向がどうなるのか誰にも分らない。(これは1年後ですら、わからない。)こんなにキャリアブランク、というか時間のロスをしてまで、MBAに進学する価値はない。そう考えるアメリカ人が増えているからこそ、最近は1年制MBAの人気が高まっているのだと感じている。

 

長くなってしまったので、詳細の就職活動の事情はまた後日改めてまとめてみます。