MBAからのスタートアップ就職

日本人のMBAアプリカントの方で、最初から「スタートアップに行きたい」という人や、すでに起業経験やスタートアップでの経験のある人は少ないように思う。

私はMBA以前にテクノロジー分野で起業していて、卒業後も自分で事業を興すことを前提にMBAにきているものの、コーネルMBAの日本人在校生・卒業生の中でも、私のようなキャリアの人はほかにいない。近年でこそテック分野に注力しているコーネルMBAでも、日本人に限っては金融・コンサル系・そうでなくても社費の人が圧倒的多数だ(そもそも日本人が少ないのもある)。

それでも、働き方という意味では、日本よりも圧倒的に米国の方が進んでいる。起業キャリアからMBA、スタートアップからMBA、エンジニアやPhDからMBA、といった日本人では少数派のキャリアの人たちが、米国MBAにくれば沢山いる。日本にいた頃は少数派だと思っていた自分のキャリアが、米国MBAに来てみれば実は多数派だった。

今回は、MBA卒業後の進路のうち、スタートアップへの就職についてトレンドを紹介したい。

 

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スタートアップへの就職で一つ特徴的なのは、「仕事を掛け持ちしている人が多い」ということ。たとえば、MBAの同期と一緒に起業した会社にハーフコミットで働いていて、その傍らで別会社を自分で経営して、さらに空き時間に別の副業をしている・・・そういったイメージ。

私が知っている限りでも、たとえばFintechの会社に就職していて、一応これが本業だけど、掛け持ちで別のスタートアップを経営していて、こっちが上手くいったら本業の仕事はいずれ辞めるつもり。。のような人が沢山いる。そもそも本業もスタートアップで、スタートアップ大好き人間も多い。

また、コーネルMBAの教授も、平日は会社員や経営者としての別の仕事を本業としていて、週末のみNYCに来てコーネルMBAで教鞭をとっている、実務家の教授が沢山いる。

 

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日本ではまだまだ少ない働き方ではあるものの、私も起業当初は、複数の会社のプロジェクトを掛け持ちする傍ら、空き時間を見つけては細々と自分の事業に時間を費やしている状況だった。

要は、フリーランスとして業務委託という雇用形態で、複数の会社にプロジェクトベースで参画していた。会社から見たら、多少給与が正社員より割高であっても、スキル的に欲しい人材を一定期間だけ確保できる。働く側としても、正社員としての転職ほど身構えることなく、複数の会社での業務を経験することができる。

※プロジェクト終了後は、契約更新するか終了するか、会社側が決められる。もちろん、契約終了については、双方が申し出をする権利がある。

この働き方はすごくおすすめで、一番の理由は、正社員としての転職をせずに、色々な会社で色々な人と働く経験ができること。今になって振り返ると、会社員時代よりも独立してからの方が、社会人として仕事のスキルを一気に伸ばせた実感がある。(そもそも、独立前に何年も会社員をやっておきながら、こんな所感になるのは、情けないのですが。。)

また、収入面でもフリーランスなので不安定ではあるものの、会社員時代よりかは断然稼げていた。たとえば、一社あたり月40万円で契約すると、3社契約すると月収120万円になる。空き時間で自分の事業に投資して、更に稼いだり、新しいことに挑戦できる余力ができる。

収入が不安定であるとはいえ、きちんとしたスキル・実力があれば仕事が途切れることはないため、私にとってはむしろ安定した働き方だった。実際、起業して自分の事業が軌道に乗りかけているような不安定な時期でも、「フリーランスとしての仕事だけでも、毎月100万円以上は入ってくる」というのは精神安定剤となり、思いきり事業に挑戦することができた。

何より、働く時間や場所に制約を受けず、自分で自由に仕事を選び、好きなことをして生きている実感を持てていた。

 

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将来、東京ベースで人を採用するタイミングが訪れた際は、このような掛け持ちの働き方ができる、MBA卒のスキルの高い方を採用するのが良いかもしれないと、今は一案として考えている。

米国のトレンドを紹介しようと思ったものの、長文になってしまうため、機会があれば別記事でまとめたい。