MBA→戦略コンサルが時代遅れだからこそ(2)

前回、MBA→戦略コンサルが時代遅れだからこそ という記事を書いたところ、想像以上に反響があったため、今回は続編です。

 

MBAの授業の一環で、現役ベンチャーキャピタリストの方のお話を聴く機会があった。

ウォートンMBA卒業後、ニューヨークの投資銀行を経て、ベンチャーキャピタルへ転職していて、後に独立している方だった。投資銀行時代に、労働時間がすごく長くて大変で、ワークライフバランスのとれる働き方がしたくて、独立を決めたんだって。MBAによくあるキャリアだなーって思いながら話を聴いていた。

 

そこで印象的だった話が2点あって、一つは、独立されて既にビジネスを大成されている立場の方が、「市場調査や戦略系の業務は、外部コンサルタントを雇うより、自分で全部やってしまう方が、自分でも理解が深まるから結果的に効率的だ」と仰っていたこと。

なるほどーと思った。要は、MBA卒の人で起業する人が増えている→ 大企業であれば外部コンサルタントを雇用する業務も、自分たちで担当してしまう→コンサルのニーズが著しく減っている、というサイクルであるのだと思った。

また、MBA卒でなくても、コンサルや投資銀行、あるいは事業会社からの経営企画的な職種から起業する人・スタートアップをする人も全体的に増えていて、コンサルのニーズがますます低くなっているのだと感じる。これは日本国内においても、同様の傾向なのだろうと思う。

 

2つ目は、投資銀行出身の現役VCの方が、「バリュエーションとかのファイナンスのスキル自体は、VCとのネゴシエーションにおいて重要事項ではない」と言い切っていたこと。これも話を聴いていて、納得いくものだった。スタートアップ起業家にとって、財務系の知識の価値は、相対的に低い。

こうしたスタートアップ志向の高まりから、相対的にコンサルや投資銀行のような職種は人気が落ちているし、米国MBAという選択肢自体の価値が、相対的に落ちてきている(要は、MBAでなくてもキャリアアップの手段が今の時代は沢山ある)というのもあると思う。

 

※Team8 というイスラエル系ベンチャーキャピタルの方にお話をお伺いしました。
(ロゴはサイトからお借りしました。)

 

余談ではあるが、ベンチャーキャピタルという職種は、戦略コンサルがMBAにとって不人気となっている昨今、珍しく人気を集めている職種の一つだ。コーネルMBAでもベンチャーキャピタルという職種の人気は高く、在学中から学内のリソースを活用して実務を体験したり、学外のリソースを活用して学期中にVCでインターンしている人もいる。

確かにMBAのカリキュラムでは、Entrepreneurial Financeという授業が必修になっているほか、VCで働く実務家による授業や、ファイナンスの上級科目であるバリュエーションなど、VC関連の授業が充実している。

 

このようなカリキュラムの特徴や学生の傾向は、当初はコーネルMBAの特徴なのかと思っていたけれど、どうやら米国MBA全体の傾向らしい。たとえば、先日日経新聞の記事で、シカゴブースの学長来日のインタビューが掲載されていて、これからMBAでデータ系の科目スタートアップ・VC関連の授業を増やしていくという内容が書かれていた。

このカリキュラム内容、コーネルテックそのままじゃん!と思ったのだけれど、米国MBAの学生のトレンドがスタートアップ志向に変わってきている、ということの反映だと思う。そういう意味では、コーネルテックは、もう何年も前から時代の先取りをしている。

アメリカ人学生の間では、イサカの2年制MBAより遥かに難関と位置付けられていて、凄く人気があるのも頷ける。コーネル学内では、MBAプログラムの中ではコーネルテックが最難関で、学生のレベルも高いというのが通説になっている。

 

そんな折、アマゾンの第二本社がニューヨークに決定しました。コーネルのNYCキャンパスとアマゾンは、本当に目と鼻の先の距離で、橋を渡って徒歩でも行ける場所。学生の間では、「来年からはコーネル生限定のインターン枠ができるよね」とか「コーネルMBAからの採用枠が増えるね」とか、学内では好き勝手盛り上がっています。

平和な世の中で、平穏に過ごせる一日が、大変ありがたいです。