MBAで学ぶアントレプレナーシップ

コーネルテックでは、MBAの学生とエンジニアの学生が一緒にチームを組んで、新規授業プランを考えるStudio Curriculumが必須になっている。

 

コーネルテックの新カリキュラム

私が現在履修している BigCo Studio というコースでは、平たく言うと、「大企業において、どのようにイノベーションを起こせば良いか」「大企業でアントレプレナーシップを発揮していくには、どうすれば良いか」といったことを学んでいく。今年から新しく開始したコース。
 
教科書として、かの有名な「イノベーションのジレンマ」が指定されていて、「古いなっ」と最初は思ったのですが、今になって本を読み返すと、納得のいく内容だったりする。
 
大企業における「安定」と「Disruptive Innovation」を両立させることは難しく、その方法論について、組織論や会社のカルチャーといった定性的要素も考慮しつつ、実務家の教授の実体験に基づいて講義が展開される。以下はシラバス。
 
 
  • BigCo Studio Syllabus (Spring 2019)
    講師のChad DickersonとBradley Horowitzは、米国ですごく有名な実務家でもあり、彼らの講義は、正規履修者以外にも聴講を希望する学生が非常に多いことが特徴。シラバスのリーディング課題などは、ログインIDなしでも参照可能なものが多いので、ご興味のある方はご参照ください。

 

教授によるレクチャーと並行して、チームで新規授業プラン立案に取り組む。今年度は、Citi、Mastercard、Samsung、Uber、Oracle といった大企業が参画しており、各社の役員レベルの人が各チームのアドバイザーを担当することになる。

こうした大企業の役員レベルの人から、リスクフリーの環境で直接フィードバックを貰える機会ってなかなかないので、私はとても貴重だと思う。転職をせずに様々な会社を垣間見ることができるのが、MBAで得られる経験の魅力だと思う。

※今年度は、コーネルテックの学生のみ履修できるコースですが、毎年カリキュラムの変更があるため、2-YEAR MBAの学生も履修できるようになる可能性があります。

 

MBAで学ぶアントレプレナーシップ

MBAでアントレプレナーシップを学ぶというと、「コーネルテックはそんなに起業志向の学生が多いのですか?」とアプリカントの方から聞かれることがありますが、大企業志向の人も普通に沢山います。

むしろ、MBA直後は大企業で働くことを想定した上で、「企業内でアントレプレナーシップを発揮するにはどうすればいいのか」「大企業でイノベーションを興すにはどうすればいいのか」という視点で学びに来ている人も多い。

MBAに来ている学生は幅広く、私のように入学以前に起業していた人や、会社のExit経験まである人、スタートアップしか最初から考えていないという人、大企業に就職する人、プロダクトマネージャー職をめざす人など、本当に様々です。

とはいえ、MBA卒業直後に大企業に就職する(あるいは派遣元の会社に戻る)場合であっても、何らかの形でアントレ志向のある人たちが殆どで、副業しながら将来いつかは会社を辞めてスタートアップしようという人、会社の中でシリアルアントレプレナー的に活躍しようという人が多い。

 

そもそも、Lean Startup という本でも謳われているように、アントレプレナーシップは、起業家だけに求められる発想や方法論ではない。大企業であっても、自分で事業を生み出して活躍していきたい人には、とても素晴らしい環境だと思う。

 

コーネルMBAで学ぶアントレプレナーシップ

コーネルMBAでは、アントレプレナーシップ系の科目は非常に充実していて、テック業界やスタートアップにおけるアントレのほか、ソーシャルアントレプレナーシップなども充実している。

こちらのBESINESS BECAUSEの記事が、コーネルの特徴を端的に表現している。USトップスクールの中では、トラディショナルキャリアの学生は確かに少なく、一方で、サステナビリティや途上国開発に興味があるとか、ホテルスクールの授業に関心があってコーネルを選んだ、といった人が数多くいることが特徴。

コーネル大学の強みは、ホテルスクールやテックのほか、サステナビリティ、リアルエステート、あとは人材系なども地味に強い。

総合大学としてのコーネル大学のリソースを活用して何か学びたいことがある、そんなモチベーションを持っている人が、最終的に合格している(そしてコーネルを選んで入学してきている)傾向にあると感じる。

 

※逆に言うと、テストスコアが高くても、コーネルにFitする何らかのモチベーションがないと、ランキングやGMAT平均点などから「コーネルは滑り止めでいいかな」と思って受験しても、案外滑り止まらない人も多い。この点は本当に注意してほしい。

 

イサカで学ぶアントレプレナーシップ

学校としてアントレ関連のリソースについてもご紹介しておきます。

ENTREPRENEURSHIP AT CORNELL
というリソースがあり、実はコーネルテックだけでなく、2-YEAR MBAの学生の間でもアントレ志向の高い学生が近年特に増えている。

2-YEAR MBAでのスタートアップ系授業や、ゲストスピーカーによる講義の特徴としては、イサカという立地を生かした農業系ビジネス(いわゆるアグリテック)、たとえばGreen Houseのテック系事業などが多い。この点は、夏学期に3か月間イサカに滞在しただけでも、十分実感でき、刺激的だった。

あとは、先日も記事に書いたリアルエステート・テック、ヘルステック系などもコーネル大学の強みを生かして学びやすい分野。入学してくる学生層も、こうした分野で経験のある人も多いので、とても良い環境だと思う。

 

日々アプリカントの方とお話ししていて色々気付きを得るのですが、皆さんとても良く学校のことを調べてらっしゃり、在校生という立場でありながら、時に全く学校のことを理解しきれていないなと反省する点も多々あります。

今後は役に立つ情報発信ができるよう、つとめていきたいです。