ジェンダーバイアス

前回に引き続き、EA ハーバード流こころのマネジメント――予測不能の人生を 思い通りに生きる方法 という本の紹介。

 

 

とても印象的な研究結果についてのエピソード。

一定数の人が、ジェンダーバイアス(無意識のうちに男性の方が優位であると思ってしまう)に捉われてにも関わらず、本人がその思考に気づいていないという話である。

 

ある研究では、実験参加者に対し、警察署長の候補として、男性と女性の経歴を説明したうえで質問をした。警察署長には、世知に長けていることと、しっかりした教育を受けていることのどちらが重要か、と。すると、何度聞いても、参加者は男性候補の経歴と一致する特徴を選んだ。男性候補が経験豊かであれば世知に長けていることが重要だと考え、男性候補が高学歴だと聞くと教育が重要だと答えたのである。参加者は性別によるバイアスのみならず、自分の思考がとわれれていることにも気づいていなかった。

 

この議論は、MBAの授業でも本当によく話題になっていた。

そして私は日本に帰ってきてから、日常生活においてこの類の議論がなされる機会がないことに、とても違和感を感じていた。

日本人の男性マネジメントの方々から、「男性だから、女性だから、とかかわらず男女平等に仕事をしている」と語るのを聴いてきた。けれども、彼らの言う「男女平等」の思考の根底には、このようなジェンダーバイアスが潜んでおり、女性が男性と同じ土俵に立つには、何倍もの努力が必要とされる。

だから、日本社会では女性の登用がいつまで経っても進まないのだと思う。

 

どうしてこのような話題が、もっと盛んに議論されないのだろう。もっと声を上げて戦っていきたい。

 

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著者のSusan David氏は、hbr.org でも記事を多数執筆しています。動画もあるのでお薦めです。

私がなぜ、hbr.orgをこんなに気に入っているかというと、心理学やマーケティング分野の記事がとても充実しているため。hbr.orgは、ポッドキャストも動画も、英語が第二言語の人を想定して作成されるため、解説がとても親切でゆっくりなことも特徴。

 

ちなみにこの類の本について、いつも思うのですが、どうしてみんな、邦題のタイトルに大学名を入れたがるのだろう?ハーバード流とかスタンフォード式とか、コロンビア大学がなんちゃら、もう聞き飽きたけどな。。

 

その意味では、アダム・グラントは本当に凄い。彼はさりげなくウォートンの教授であるにもかかわらず、本のタイトルにも「ウォートン」とか一切入れず、完全に実名のみで勝負している。

これから日本市場に進出したい大学教授は、大学名の盾に頼らず、アダム・グラントを見習って実名のみで勝負するべきと思います。