NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX

先日ご紹介したエリン・マイヤーの新著。

日本語版・NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX (日本経済新聞出版) が書店に並んでいるのを見つけ、購入してみました。

 

 

前作の異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養 が日本でも大きく話題になったエリン・マイヤーですが、残念ながら今回は、前回に比べると日本国内での注目度はあまり高くないようです。

理由としては、やはりNetflixをテーマに扱う本だから、というのが挙げられます。

日本でも有名になったNetflixですが、ストリーミングTVというサービス自体が、フェイスブックのような国民的なプラットフォーム(あるいはインフラ)とはまだまだ言い難い、というのが背景にあるでしょう。

これは、日本のテレビ産業のビジネスモデルを考慮すると仕方ありません。

 

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この類のスタートアップ経営論の本を読み、いつも思うのは、「こういうマネジメントスタイルが理想的なのは分かる、けれども日本のカルチャーには合っていない」というものが多いこと。

たとえば、情報のトランスペアレンシーとか、ダイレクトなフィードバック制度とか、そもそもインダイレクトな日本のカルチャーには向かないものが多かったりする。

けれども、この本の面白いところは、日本・シンガポール(APACのHQ)・US本社それぞれの立場から、文化的なコンテキストを交えて事例が解説されているところ。

シンガポール人のコミュニケーションスタイルは、日本人から見るとダイレクト過ぎる一方、USから見ると曖昧であると印象を与えてしまう。それだけ日本が特異なカルチャーであるということ、、

 

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起業時代も含めて、数多くのUSスタートアップを仕事をしてきたけれど、Netflixのように、US本社のマネジメント上層部が、日本のカルチャーについてここまで熟知しているケースは少ない。

むしろ、日本のカルチャーについて無知であるばかりに、そして日本支社のスタッフ側も対等に議論できるだけの英語力やコミュニケーションスキルが至らないばかりに、早々に日本市場撤退を決断してしまう企業も多い。

仕事上、日本人として、USや欧州・アジアのAPAC拠点と仕事をする過程で、どのように働きかけるのが良いかと考える機会が今まで多かったものの、常々思うことがあって、

それは、本社のマネジメント上層部の日本カルチャーへの無知について、そこを批判するのではなく、日本支社にいる立場の人間も、もっと勉強しなくてはいけない、ということ。

 

日本人のカルチャーを客観的に捉えるスキル、そしてそれをUS本社と対等に議論して伝えていくスキル。そういったものを身に付けている日本人は、本当にごく少数であると思います。

「子どもの頃に海外に住んでいた」とか「学部時代だけ留学していた(社会人以降はずっと日本)」という人は多くても、そのような人たちが、本当の意味でグローバルなコミュニケーションスキルを備えているかと言うと、決してそうではありません。

 

これから日本人マネジメントとして、どのようなスキルを身に付けていくべきか、考え改める本でした。

 

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原著と翻訳版、両方購入してみましたが、翻訳版も十分に読みやすくてお薦めです。