Dot. Battersea

MBA留学を経て、30代からのライフシフトを画策する過程を綴っていくブログ。女性のキャリアに役立つ情報発信。

Category: アントレプレナーシップ

クリエイティブ産業におけるアントレプレナーシップ

2019-03-132019-03-14アントレプレナーシップ, コーネル・テック, コーネルMBA

今学期に履修している授業で、Entrepreneurship in Creative Industries という授業がある。

 

アート・映画・美術館などのいわゆる クリエイティブ産業 において、どのようにテクノロジーを活用して事業立ち上げからピボット、海外事業展開を行うのか、といった視点でクリエイティブ産業について学んでいる。

アート・芸術といった分野では、概してソーシャルインパクトに重きを置かれる傾向にあり、ファイナンス・財政面という観点が時に軽視されがちである。画家などの「アーティスト」と呼ばれる職人気質の強い人たちが、ビジネスに疎い点も時に盲点となりがち。

教授は、コーネルテックのプログラムディレクターでもあるMukti Khaire で、ケース形式。授業ではケースを中心に、スタートアップ創業者が、そのようにソーシャルインパクトと資金調達の実現を両立していたのか、など幅広いトピックについて議論を行っている。

 

1回の授業(3時間)の中で、前半ではケース形式でディスカッション、後半ではゲストスピーカーを呼んで関連トピックについてディスカッション、という流れで授業が進められる。

教授のネットワークが広く、ケースに登場してくるスタートアップ創業者が、授業のゲストスピーカーとして登壇してくださるケースもあって、とてもユニークで面白い授業だった。

 

ほかにも、NetflixやiPhone/Android アプリの台頭によって、クリエイティブ産業における事業がどのように変遷してきたのか、など、あくまでもビジネスの観点から、クリエイティブ産業について学んでいく。

 

※教授・Mukti Khaireの本。アート・ファッションといったクリエイティブ産業における、アントレプレナーシップ概論がまとまっています。

 

ニューヨークでは、ファッション・リテール産業が盛んなこともあり、特にニューヨークという立地を生かしたビジネス(リテール×アートのコラボレーション事業など)が盛ん。

たとえばユニクロは、ニューヨークのMOMA(ニューヨーク近代美術館)とコラボレーション事業を展開したり、現地のアーティスト(画家など)とコラボして、ニューヨーク限定商品や企画を多数扱っている。

ユニクロの取り組みは、特に面白いなと思った。

 

ゆっくりレポートを書いていたら、あっという間に夜になってしまった。そんな留学生活でした。

アントレプレナーシップコーネル・テックコーネルMBA
MBAで学ぶベンチャーキャピタル

MBAで学ぶベンチャーキャピタル

2019-02-242019-02-24アントレプレナーシップ, コーネル・テック, コーネルMBA

今回は「MBAで学ぶベンチャーキャピタル」についてご紹介します。最近、アプリカントの方から、ベンチャーキャピタル系の科目やMBAでの学びについてご質問を受ける機会が多々あります。

 

まず、大前提として「MBAでベンチャーキャピタルについて学びたい」という方の大半は、ベンチャーキャピタル関連の業務は未経験で、「スタートアップのエコシステムについて学びたい」という意識を持っている方が多いように思う。

中には、社費生の方で、卒業後に派遣元に戻ることが前提でありつつも、MBA在学中にスタートアップについて学びたい、という目的意識の方もいらっしゃる。

具体的には、MBAのスタートアップ系授業で、エンジニアとの共同プロジェクトを経験したり、あるいはベンチャーキャピタルという観点から、ファイナンスの知見をもってスタートアップのエコシステムについて理解できるようになりたい、といったモチベーションの方が増えてきているように思う。

 

*

私個人は、こうした「スタートアップのエコシステムについて学びたい」というモチベーションから、VCに興味を持つ人にとって、MBAはとても素晴らしい環境だと思う。

たとえば、コーネルテックの授業では、Entrepreneurial Finance という授業が必修科目になっていて、ベンチャーキャピタル関連の基礎知識(たとえば、タームシートの条項など)を細かく学べる機会が整っている。

授業では、スタートアップの創業者という立場から、どのような意思決定をするのが最適か?といった視点を学ぶことができ、業界未経験の私にとっては大変勉強になった。

また、エレクティブのバリュエーションの授業でも、スタートアップ・テック企業(要は新興企業・産業)に特化して分析方法を学ぶことができたのは、面白かった。なぜスタートアップのバリュエーションにおいて、P/S Ratio を重視するのか?といった基本的なことから教えて貰えます。

あと、当ブログにはまとめていないものの、Andreessen Horowitz の方がゲストスピーカーとして授業に参加してくださったのは印象的で、感激だった。

※これらの授業は、コーネルテックだけでなく、コーネルの2-YEAR MBAでも開講されています。

※授業の教科書でもあり、参考になった本。

 

*

一方で、「MBAでベンチャーキャピタルについて学びたい」という人の中には、もっとプラクティカルな実務経験を実践として学びたい、と考える人も多いように思う。

そうした人のニーズが非常に多いためか、MBA各校でも学生主体のVCなるものが、どこの学校でもあるように思う。コーネルMBAでは、Big Red Ventures というCornellの学生主体のVCがあるほか、Rough Draft Ventures、Dorm Room Fund などの他大学との共同運営のVCで活動している学生もいる。

女性向けのVCという意味では、Amplifyher Ventures Investor Fellows Program といったMBA学生限定のプログラムなども。その他、VCではないものの、InSITE Fellowという学生主体のスタートアップ支援団体に参加している人もいる。

※選考時期などは毎年変わるため、入学後にチェックする必要があります。

 

こうした「MBAで学べるプラクティカルな機会」については、実際に入学してみると、学外でも本当に様々なオポチュニティがある。

学外でも本当にいろいろな機会があるため、「xx大学MBAに進学して、VCについて学ぶ」という発想は、ベンチャーキャピタルの実践を学ぶという意味においては、実はそれほど意味がないかもとも思う。

特にニューヨークなど大都市においては、他大学との共同プログラムや、民間企業によるプログラムも充実している。

 

コーネルMBAで学ぶベンチャーキャピタルについては、US MBAで学ぶスタートアップ や、ベンチャーキャピタリストのゲストスピーカーの記事などで、過去記事にもまとめています。ご興味のある方はご参照ください。

コーネル・テックコーネルMBA

意思決定の訓練

2018-10-262018-10-27アントレプレナーシップ, 日記, 起業No Comments

今日、一つ大きな決断をした。

かつて大切にしていたものを、今はもう手放すと決めた。抽象的な表現になってしまうけれど、今はもう必要のないものに、執着しない。思いきって「手放す」決断をし、新しい価値観を取り入れていこうと決めた。

本当はすごく勇気の要ることだった。「外国人」である異国の地で、自分一人で交渉も何もかも責任をもってやり遂げ、意思を強く保ち続けるということが、心の中ではすごく怖かった。

けれど、今はもう怖くはない。誰かに批判されることや、かつて大切だと思っていた人から、軽く扱われてしまったり、低く評価されてしまったりすることも。そのような人間関係は、思い切って「手放す」決断を、今なら潔くすることができる。

これからは、勇気を出して一歩踏み出した、今までより強い自分で居続ける。

 

事業経営は、本当に決断の連続で、自分が強くないとやっていけない。女性経営者の先輩が、「やっぱり会社員の方が、楽なんだよね」とふとした瞬間に呟いていた時、深く納得してしまう瞬間があった。そう、会社員の方が、あらゆる意思決定について会社が最終的に責任を持ってくれるから、ずっと楽だと感じる。

(もちろん、会社員には苦労があると思うので、ここで会社勤めという働き方を批判するつもりではないです・・・)

 

*

私にとって、過去に大きな決断をしたタイミングはいくつかあって、その一つは、海外で病気の治療を受けると決断することだった。

香港で働いていた時、大きな手術をすることを決断した。本当はずっと体調が悪くて、日本に帰って親元で治療を受けるのが一番安心だったのだけれど、私にとっては、海外で働くことがずっと夢だったから、どうしても日本に帰りたくなかった。

子どもの頃からの病気だったけれども、持病があるから、体に障がいがあるから、と言い訳にしてしまうのが嫌で、どうしても一人で海外で治療を受けようと意気地になって粘った。そんな私に、何も言わずにお金だけ支援してくれたのが両親だった。

 

今になって、親の偉大さを感じる。私が将来、親の立場になった時、同じ決断ができるだろうか。私が、もしあの時、海外で死んでしまっていたら、両親はどう感じていただろう。そして今頃、何をして生きていたのだろう。

そんなことを、ぼんやりと考えることがある。

まずは自分一人で、意思を強く持ち続けることは大切で、それでも常に周りからの支えがあること、本当は一人で生きている訳では全くないことを、心の片隅に置いておかなくてはいけない。

アントレプレナーシップ日記
Stephen Venuto

US MBAで学ぶスタートアップ

2018-09-222018-09-22アントレプレナーシップ, 米国MBANo Comments

米国MBAに来て、アントレプレナーシップとかスタートアップについて学んでいるというと、「でもMBAって所詮、机上の空論じゃん」とか、「MBAに行くより、すぐに起業する方がいいよ」といった反応をされることが、日本人の知人からは特に多い。

確かに、MBAに行かなくても起業は誰でもできるし、MBAに行かずして成功している人は世の中に沢山いる。でもそれは、先日の記事に書いた通り、ほかの職種であってもMBAに行かずに成功している人は沢山いるため、「起業家やスタートアップにはMBAは必要ない」と批判するのとは、ちょっと違うと思う。

 

*

Stephen Venuto という、テック業界で有名な投資家による授業を受けていた。彼はもともと弁護士出身であり、コーネルLLM卒業生でもある。Facebook社の初代・専属弁護士だったらしい。普段はシリコンバレーを拠点としていて、週末にNYCにやってきてコーネルテックで教鞭をとっている。

Lifecycle of a Venture-Funded Tech Startup: Business Issues and Legal Considerations という授業で、スタートアップのライフライクルに応じて、ベンチャーキャピタルや弁護士とどのようなやりとりをすれば良いのか、ベンチャーキャピタル側の視点がどう変わるのか、など体系的に学べたのが面白かった。

彼の授業は本当に実務に即していて、最新のスタートアップ事情を細かく語ってくれるため、コーネルMBAの学生の間でもの凄い人気を誇っている。(授業はNYCで開催されるものの、ストリーミング配信でイサカからも多くのMBA学生が受講している。)

 

Stephen Venuto

 

お恥ずかしながら私は、ファイナンス分野においては完全な素人で、たとえば Liquidation preference とか、Anti-dilution protection などというベンチャーキャピタル関連の単語は、MBAに来るまで知らなかった。

MBAで学ぶ知識自体は、その業界で実務経験を積んできた人にとっては、基礎的な内容であり、あくまでも「勉強の仕方」を学ぶものに過ぎないと思う。(といっても、MBAで学ぶ「基礎的な内容」を、初学者が短期間で勉強して理解することは意外と難しいのだけれど。)

ベンチャーキャピタル関連でいうと、USのベンチャーキャピタルの特徴や歴史がどのようなものであって、基礎的な知識を押さえた上で、どのようなリソースにアクセスすれば最新情報を得られるのか。そんな「独学での勉強の仕方」を効率的に身につけられる場所が、MBAだと思っている。

あと、私の場合は自分の事業立ち上げに役立つ知識や経験がしたい、というモチベーションでMBAに来ていたため、米国のスタートアップの事例を本当に数多く知ることができたのは、本当に勉強になった。米国だと、私と同世代くらいの女性経営者で、何億円も資金調達に成功して事業をグロースさせている人が数えきれないほどいる。だから、自分にもできそうな気がしてしまうから、スタートアップは面白い。

高い授業料を支払って、授業に出席してさえいれば十分な知識が身につくというものではもちろんなく、在学中の今、そして卒業後にどれだけ自分でモチベーションを保ち勉強し続けられるかどうかで、結果に差が付くもののような気がしている。というのも、MBAって資格とかではなくただの学位で、米国で働く上での(あるいは、日本でMBA採用で就職活動をする上での)免許のようなものなので。

 

*

今年1月にコーネルMBAに合格した後、暫く悩んでいた時期があった。MBA以外の選択肢も考えていたというのもあり、MBAはやっぱり自分のキャリア上必須ではないかも、と非常に悩んでいた。

決断を後押ししたのは、今思えば、ミライセルフの表さんとの会食だった(彼はUCバークレー卒)。といっても、もともと表さんと知り合いだった訳ではなく、六本木のWeWorkで働く仲間と食事していたところ、なぜか急に表さんがやってきて、その場の流れで一緒に飲むことになった。

「MBAは人生最大の贅沢な投資だった、本当に行ってよかった。あんなに刺激的な経験は、実務経験では決してできなかった」と謙遜とか一切なしに、堂々と仰る表さんの言葉で、やっぱりニューヨークに行こうと、決断を後押しされた。

 

当ブログは一応「コーネルMBA留学ブログ」なのに、他校の卒業生の方を紹介してしまって恐縮ではあるものの、どこの学校かに関わらず、私個人はもっと、日本から起業をめざす人・スタートアップしている人が、気軽に米国MBAに来る時代になればいいなと思っている。

 

An Image from orrick.com

MBA留学US MBAアントレプレナーシップ

アントレ関連おすすめリソース(a16z)

2018-09-042018-09-05MBA留学, アントレプレナーシップNo Comments

私の大好きなサイトa16zで、スタートアップ起業家向けにわかりやすいコンテンツが公開されているので、ご紹介します。

 

All Things Sales! 16 Mini-Lessons for Startup Founders

解説は全体的にセールス寄りですが、たとえばマーケティングとセールスの予算を、B2C/B2Bという切り口からみたとき、どう配分するのが良いか?のような解説がわかりやすくされています。英語のスピードもゆっくりだし、パワーポイントの図がわかりやすいので、好きです。ポッドキャストでも、みんなこのくらいゆっくり話してくれたらいいのに。。(a16zへのリクエスト)

たとえば、以下の動画などですが、とってもわかりやすいです。

 

 

あと、最近同じくa16zのAndrew Chenという人のメールマガジンを購読しはじめたのですが、すっごく良いです。スタートアップのマーケティング(特にweb周り)や、USのスタートアップに関心のある方には特におすすめしたいです。Andrew Chenのサイトから登録することができます。

 

大学院での勉強は(私にとっては)大変すぎて、たまに息抜きにこのような「気軽に学べるコンテンツ」で気を紛らわしています。「気軽に学べる」というのがやっぱりポイントで、毎日長時間は勉強に時間をあてられなくても、細く長く、じっくりと取り組むことがやはり何事も重要だと感じています。

このようなコンテンツを多数提供し続けているa16z、やっぱりすごいです。

 

※Andrew Chenさんの写真を、彼のサイトから拝借しました。

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Ayumi Suzuki

MBA @Cornell Tech→テクノロジー業界の片隅で細々と生きています。日本国内の#MeTooムーブメントを仕掛けること、30代女性のキャリアについて情報発信することを目標にしています。詳細プロフィールはこちらへ。

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